膀胱炎
頻尿や血尿を主訴に来院する事が多いです。原因としては膀胱結石・細菌感染などがありますが、原因不明の突発性膀胱炎のもよく見られます。膀胱結石ではストラバイトやシュウ酸カルシウムが原因となる事が多く、体質や食生活などが根本的な理由になります。治療としては、抗生物質の投与に加え、結石では食事療法もあわせて行ないます。症状が治まったとしても、定期的なおしっこ検査が必要になる事が多いです。
*おしっこ検査が必須となるため、来院時には出来る限りおしっこを持参して下さい。勿論おしっこは出来るだけ新鮮なものが良いですが、採取後すぐに来院出来ない時は冷蔵庫に保存して下さい。最低5ml位で検査できます。
下痢
軟便や水溶性下痢、血便などがよくみられます。原因としては、寄生虫感染・細菌バランスの失調・ストレス性・ウイルス感染などが主なものですが、他にも様々な原因も考えられます。特に、外に行く猫ちゃんでは寄生虫感染が多く見られるため、注意が必要です。治療は原因により異なりますが、寄生虫感染では駆虫薬の投与、他では抗生物質や整腸剤の投与、脱水の補正などが必要になります。
*原因の追究にはウンチ検査は必須となりますので、必ずウンチを持参して下さい。(乾燥しないように、ラップで包むか袋に入れてきてください。)
嘔吐
原因として軽度の胃炎や異物などが多いですが、それ以外にも様々な事が考えられます。猫ちゃんはヒモやビニールの異物が最も多いため特に注意して下さい。また、除草剤などの薬物の摂取も良く見られます。中毒性では流涎が良く見られます。軽症例では胃粘膜保護剤や胃酸分泌抑制剤の投与などで改善が見られます。しかし、難治症例では体重の減少や脱水、電解質異常などの状態悪化も見られるため、何回も嘔吐しているようなら早めに来院して下さい。
くしゃみ・鼻水
ワクチン予防を行なっていない猫ちゃんに多く見られます。原因としてウイルス感染や細菌感染が殆どですが、非常に稀に真菌感染や腫瘍なども考えられるため注意が必要です。また、くしゃみが長期化すると、症状が慢性化し生涯にわたって鼻がグジュグジュしている子も多いです。そのためくしゃみが見られたら、早めに来院して下さい。くしゃみに伴って、目やになどの眼症状も見られることが多いため、抗生物質やインターフェロンの投与と点眼薬が必要になる事が多いです。
腎不全
腎臓はおしっこを作り、体の老廃物を排泄するために重要な臓器となります。そのため、腎不全が進行すると尿毒症症状が見られ、神経症状が見られてしまうことがあります。腎臓は物言わぬ臓器であり、発見が遅れる傾向にあり、また治療を積極的に行なうことの出来ない臓器であるため、腎不全は非常に頭を抱える疾患となります。多飲多尿や食欲不振、体重減少などが主訴で来院されることが多いです。血液検査やおしっこ検査で確定診断に至りますが、軽度の腎不全では検査値に異常を来たさず、症状は殆ど見られないため、定期的な健康診断と各種検査を行なうことがよいでしょう。早期発見、早期治療が腎不全の進行を遅らせる効果がある為、検査値に異常が見られたら生活環境の改善や処方食への移行が有用です。進行した腎不全の猫ちゃんでは、皮下補液や栄養管理、活性炭製剤による対症療法が行なわれます。先に述べたように重篤な尿毒症症状は神経症状を呈してしまうため、飼い主さんも見ていて辛い病態となってしまいます。早期発見で進行を遅らせることが最善の治療となりますので、多飲多尿が見られたら直ぐにご相談下さい。
これらに挙げた病気はほんの一部です。また、原因や治療法も主なものを述べたに過ぎないため、猫ちゃんに何らかの異常が見られたらお気軽にご相談ください。
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