食欲の低下
消化管停滞
ストレスや繊維質の摂取不足、毛球症などが原因となり、消化管の動きが鈍くなる事により食欲の低下が見られます。予防法として、牧草の多給やストレスの軽減、換毛期のブラッシング、毛球除去剤の投与などがあります。過度の食欲の低下が見られたら、早めに来院して下さい。一般的に内科的治療でよくなることが多いですが、毛球症の重症例では、外科的治療が必要になることが有ります。
奥歯の過長
ウサちゃんの歯は一生伸び続けます。通常は牧草を食べる事によって奥歯が磨耗されますがその量が少ないと、奥歯の過長により口腔内に潰瘍ができてしまい食欲の低下が見られます。治療法は、麻酔下での歯削り処置となります。また、原因として、遺伝が考えられる事もあります。
* ウサちゃんは1・2日食事をとらなくてもケロッとしていることが多いです。しかし、客観的に状態を評価すると、「肝臓に負担がかかっている」・「消化管の細菌バランスの失調が起こってしまう」などの状態が起きています。また、治療に反応するまでの時間も早期治療のほうが断然早いため、食欲の低下が見られたら早めに来院して下さい。
血尿
子宮疾患
女の子では4才をピークに子宮腺癌、子宮内膜炎、子宮粘膜過形成などが原因となり、血尿を呈します。おしっこ全体が赤くなる事がありますが、血液の塊がトイレに付着しているのに気付く事があります。血尿以外にも、食欲の低下、元気消失なども示すこともあります。治療法は外科的に子宮の摘出が最良です。
結石症
ウサちゃんは余剰のカルシウムをおしっこで排泄するため、カルシウムを主成分とする結石が発生しやすいです。頻尿や排尿時のイキミなどが見られることがあります。予防法として、カルシウムの少ないフードを与え、水分補給や野菜を与える事などです。体質によるものが多いため、再発に注意を要します。治療法は、外科的に結石の摘出となります。
神経症状
斜頸
エンセファリトゾーンと呼ばれる原虫による感染やパスツレラと呼ばれる細菌感染、耳ダニ感染によるもの可能性が高いです。斜頸以外にも目の振るえに気付く事があります。治療は抗生物質、抗原虫薬、ビタミン剤、ステロイド剤の投薬が必要になります。食餌が自分で取れない場合には、強制給餌の必要があります。状況によっては、生涯斜頸が残ることがあります。
後躯麻痺
落下による脊髄損傷や無理やり抱っこしようとして、ウサちゃんが暴れた時に起こりやすいです。状況によっては、急な経過をとり死亡してしまう事もあります。治療はステロイド剤やビタミン剤の投与などの他に皮膚炎の防止が必要になります。特に尿ヤケには最大限の注意を要します。
スナッフル
パスツレラの細菌感染によるものが多いです。初めのうちは軽度のくしゃみや鼻水のみですが、症状が悪化すると、膿性鼻汁により開口呼吸となり食欲の低下を招くことがあります。また、肺炎に進行すると極めて状態が悪化する事があります。治療法は、抗生物質投与とネブライザー治療、状況によって強制給餌が必要となります。
*鼻汁の飛沫などにより容易に感染する事があるため複数飼育の方は注意が必要です。
これらに挙げた病気はほんの一部です。また、原因や治療法も主なものを述べたに過ぎないため、飼い主さんのウサちゃんに何らかの異常が見られたらお気軽にご相談ください。
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